親や親戚が神主じゃない それでも神主になりたい人へ②

今回も前回に引き続きまして、親も親戚も神社の神主じゃないにも関わらず、神主になりたい人のための記事です。関係ない人も興味本位でどうぞお読み下さい。

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神職は身分や階級がある!?

前回の記事の最後の方で触れましたが、神職には身分や階級のようなものがあります。まずは〈階位〉について述べます。階位とは神社本庁から授かる神職の位で、簡単に言えば沢山勉強したり神明奉仕、研鑽に努める程高い階位を授かることができます。

國學院大學や神社庁等で開かれる講習会を受講し修了すれば、無試験検定合格で〈直階(ちょっかい)〉という階位が授けられます。これで神社に奉職することができます。しかしこの階位では前回書きました通り、宮司になることができません。宮司になって後継となるためにはさらに講習を受け、指定された神社での実習を積むか、一定期間の年月神社に奉仕して更に一つ上の階位である〈権正階(ごんせいかい)〉を授かる必要があります。

しかし、奉職する神社が別表神社であれば、〈明階(めいかい)〉という階位を授からなければ宮司になることはできません。戦前までは社格制度がありましたが、現在では伊勢神宮を除き、すべての神社は対等な立場にあるとされていますが、旧社格の高い官幣・国幣社や、規模の大きな神社では何かと不都合が生じるとして、神社本庁が一部の神社を〈別表に掲げる神社=別表神社〉として定めています。

明階を授かるには権正階からだと、とにかく沢山の講習を受けたり、試験を受けたりせねばならず、とにかく長い時間がかかります。國學院大學や皇学館大学の四年制、もしくは専攻科で神職過程を修了すれば権正階の一つ上の〈正階〉が授けられます。これからだと初任神職研修を受講して二年間神社に奉職すれば〈明階〉を授かることができます。また、國學院大學や皇学館大学の四年制で明階検定コースを修了すれば、奉職せずとも大学卒業と同時に明階が授けられます。

神職の階位の一番上は〈浄階(じょうかい)〉ですが、この階位は長年神社に神明奉仕し、功績のある高齢の神職しか授かることのできない名誉階位です。

神職の階位は上から浄階、明階、正階、権正階、直階となっています。しかしこの階位を授かったからといって神職になれる訳ではありません。神社に神職として任用されなければなりません。

神職の等級

神社に初めて奉職したとします。はじめは大体、出仕として神社に任用されます。たとえ明階を持っていたとしても関係はありません。その場合は四級神職となります。この等級によって普段履く袴の色が決まります。四級神職だと白い袴、もしくは便宜上で汚れの目立たない緑色の袴を履くことになります。

権禰宜になり、神社本庁に神職として初めて登録されると三級神職となり、浅葱(あさぎ)色の袴を履くことができます。さらに上の二級神職になるには、特例を除いて神職任用から大体20年間はかかるといわれています。二級神職は紫色の袴を履くことができます。さらに二級上→一級→特級と等級は上がりますが、すべての神職が昇級するとは限りません。「ずっと三級でいいや」という宮司さんもいらっしゃいます。

色んな袴の色について書きましたが、本当はずっと白い袴でもいいのです。伊勢神宮に行くと神主さんはほとんど白い袴を履いています。特級神職は白に紋が入った袴を履くことができますが、どれだけ偉くなっても結局はまた白に戻るということです。

神職になるオススメの方法

少し話がそれてしまいました。結論として様々な状況に応じたオススメの方法を提案します。

一番簡単なのは國學院大學か、皇学館大学の四年制で神職過程を修了するという方法です。これならば神社界に知り合いもコネもなくとも大学側が神社への奉職を斡旋してくれますから。私も國學院大學の四年制で神職の資格を取得し、奉職先まで紹介してもらいました。

しかしながら、すべての人がこの方法が選べる訳ではありません。であれば、どこかの大学を卒業している人なら國學院大學か、皇学館大学の専攻科に入り一年間で神職の資格を取得する方法をオススメします。皇学館大学の専攻科は神社庁や宮司さんの推薦がなくとも入学できます。(國學院は推薦が必要です)

次にオススメなのは、宮司さんと神社庁の推薦状を取り付けて、國學院大學の専攻科や、別科(二年間)、もしくは神職養成所(二年間)に入って神職の資格を取る方法です。ここでも神社への奉職を斡旋してくれます。

どうやって?と思われるでしょうが、これはとにかく〈神社の神職と仲良しになる〉ことです。神職になりたいと熱意をもっている人がいれば、できるだけ協力したいと思うのが人情です。

まずは近くの神社の氏子会や崇敬会に入会し、お祭りの手伝いなどを通じて神職と仲良くなると良いでしょう。こういう感じで逆に「ウチで働かないか?」との誘いを受け神職になった人もいます。そうならないにしても、信頼の人間関係を築いたうえで真剣に相談すればなんらかの協力はしてもらえるのではないかと思います。

宮司さんの推薦を得れば、神社庁の推薦を得ることも難しくないでしょう。ですが、あの狩野英孝氏は渋られたそうです(今となっては納得ですが)。見た目や行動、発言には気をつける必要があります。

最後に、宮司さんと神社庁の推薦状を取り付け、講習を受講して一ヶ月で神職の資格を取るという方法があります。しかしこれは、その後奉職する神社が決まっている場合にのみ有効です。それこそ自分で奉職先を見つけ出さなければならないのでやや困難な方法と言えます。

助勤といって、繁忙期のみ神社で奉仕する神主もいます。それをしたいからと、仕事を一ヶ月休んで資格を取りにいった奇特な方が私の友人にいます。その熱意を知り合いの宮司さんに伝え、推薦状を得たといいます。

神職になるにあたっての制限

大学や、養成所が奉職先を斡旋してくれるからといって、30歳を超えるとそれは厳しくなります。神社によって年齢制限が設けられていますし、それでいけば、全国どこの神社へでも行く覚悟がなければ奉職は厳しいものとなります。さらに結婚していると面接まで漕ぎ着けなくなる恐れもあります。もちろん初任給からのスタートですから、家族を養うのには厳しいものがあります。

さらに、女性が神職になる場合も厳しいものがあります。男子でなければならない神社が多いのです。その理由は様々ですが、神社はけっこう肉体労働が多いということがあるかと思います。ガテン系で活躍してきた私でさえ神社の作業はキツイことがあります。女性で神職を目指すならば、全国どこの神社へでも行く覚悟が必要です。しかし、最近では女子神職も徐々に増えていってはいます。

こういった制限はありますが、私は30歳過ぎた既婚者でしかも地域を限定して奉職先を探し、なかなか見つからず苦渋し、半ば諦めてもいましたが、今の神社に奇跡的に入ることができました。また、共に大学で学んでいた50代半ばの男性は卒業間近になって奉職が決まりましたし、30代の女性も卒業間近になって奉職が決まりました。みんな親も親戚も神社の神主じゃない人達です。神様のお導きとしか考えられません。

私の周りで神社への奉職を望んでいた人の殆どがその望みを叶えました。そうならなかった人も勿論います。

何故神職になりたいのかが問題

苦労して入った神社界でしたが、はじめは中々神社の考えに馴染めずに困惑していた私。何のために神社に入ったのか。なんで自分はなんで神職になったのか。自分は向いてないのではないか。何の為に奉仕するのか。何のために神職というあえて不慣れな仕事を選択し、色んなことを犠牲にしなければならないのかと、随分悩みました。

神職の休日は月に5〜6日程度です。残業もありますが、残業代を出している神社は知りません。肉体労働も多く、それに対してお給料は他の職種に比べて少なめですし、会社だったらブラック企業と呼ばれるかもしれません。

「この世のすべての人の幸福を祈る仕事だから。」

これが私の見つけた、神職として奉仕する理由です。実際何かと人に感謝されますし、楽しい仕事だとは思います。

でも、自分の息子が神主になりたいと言ったらとりあえず全力で反対すると思います。

追伸 この記事で不明な点、さらに詳しく知りたい人は気軽にコメントに書き込んで質問ください。できる限りアドバイスを致します。


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