映画『きみはいい子』この世から暴力は無くなるのか?

▲画像 きみはいい子 DVD

今回も、映画についての記事です。

前回も、前々回も暴力や虐待について文学・映画を通して考えてきましたが、今回もそうです。

楽しい映画の話もしたいのですが、このブログは私の社会に対する問題意識と、それとどう向き合っていくかが目的となっています。

「美しい国ニッポン?」とはその問いかけであり、日本社会の現状と真っ向から向き合って、少しでも良くなるような糸口を見つけ出したいと思って書いています。

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前回の記事後半において、児童虐待の問題について触れましたが、今回紹介する映画は児童虐待や子育てに関する内容です。

以下がざっとした内容です。映画の公式サイトからの転載です。

岡野(高良健吾)は、桜ヶ丘小学校4年2組を受けもつ新米教師。まじめだが優柔不断で、問題に真っ正面から向き合えない性格ゆえか、児童たちはなかなか岡野の言うことをきいてくれず、恋人との仲もあいまいだ。

雅美(尾野真千子)は、夫が海外に単身赴任中のため3歳の娘・あやねとふたり暮らし。ママ友らに見せる笑顔の陰で、雅美は自宅でたびたびあやねに手をあげ、自身も幼い頃親に暴力を振るわれていた過去をもっている。
あきこ(喜多道枝)は、小学校へと続く坂道の家にひとりで暮らす老人。買い物に行ったスーパーでお金を払わずに店を出たことを店員の櫻井(富田靖子)にとがめられ、認知症が始まったのかと不安な日々をすごしている。
とあるひとつの町で、それぞれに暮らす彼らはさまざまな局面で交差しながら、思いがけない「出会い」と「気づき」によって、新たな一歩を踏み出すことになる―。(きみはいい子 公式サイトより

親から暴力を振るわれて育った子供が親になったとき、自分の子供にも暴力を振るうようになる。負の連鎖は終わらないということでしょうか。

映画に登場する小さい子供を持つ母親である雅美と陽子は、お互いに親から虐待を受けてきましたが、雅美がわが子に対し頻繁に手を挙げるのに対し、陽子は決して手を挙げないという対照的な状態となっています。その理由は映画をご覧になって戴ければと思います。

今は根性焼きという言葉も聞かなくなりましたが、この二人には親からタバコの火を押し付けられた跡が複数ありました。ちなみに私も子供の頃父親からタバコを押し付けられた経験がありました。今も痕があります。でも、どうせふざけてやったんだろうと、恨む気持ちは全くありませんでした。

父は私にも家族にも時折暴力を振るってはいましたが、悪い人ではなかった(?)し、愛嬌のある人物でしたので、許されていたのではないかと思います。父はいわゆる荒くれもので、酒場で喧嘩して相手に怪我を負わせたり、負ったりしてました。刃物で切り付けられて急いで逃げたこともあるのだとか。

なんだかんだいっても父親は父親なりに、表現は苦手だけれども家族に対する愛情はもっていたから良かったのかも知れません。

話は作品の内容に戻りますが、映画の中で、私からすれば学級崩壊とも思える小学校の教室でのシーンがありましたが、私たちが小学生だったら間違いなく先生からゲンコツを喰らって黙らされただろうなと思いました。

先日約20年振りに中学時代の恩師に偶然お会いした時、当時を振り返られた先生が、あの頃が(20年前)生徒に暴力を振るっても全く問題が無かった最後の世代だったとをお話しされました。

我々が中学、高校の時代は本当に顔があれ上がり、口から血が出るぐらい先生に殴られるようなことがありました。今では全く考えられないことです。

家庭の話で言えば、私は一つ年下の弟と小さな頃からよくケンカし、10代ともなると激しい流血を伴う派手な攻撃をお互いに繰り出していました。今となっては懐かしい思い出です。

愛情があれば暴力はいいとは言いません。暴力は危険ですし、心身ともに癒すことのできない傷を負ってしまうリスクがあります。しかし、全く暴力を振るわれることなく大人になると、人の身体的苦痛について考えが及ばない人になってしまう心配も無きにしもあらずです。

そのせいかどうかは分かりませんし、根拠もありませんが、「相手は誰でも良かった」という理由で新幹線やネットカフェで見ず知らず人を刃物で殺傷する事件が最近起こってきているのではないかなどと考えてしまいます。どれだけ痛いのか、苦しいのかを想像できればそのような理不尽な殺人を行うことを、思い留まることができるのではないのではないかと考えてしまいます。

思いっきり喧嘩したり、血を流す経験もなく育った人が、耐えきれないほどのストレスによりその怒りの矛先が他人へ対する攻撃という形で噴出したということでしょうか。

皆さんがこの映画を観て、家庭や学校における暴力について考える機会となればと思います。

「世界は救えないけど 誰かを救うことはきっとできる」

「私があの子にやさしくすれば、あの子も他の人にやさしくしてくれるの。」

「子供を可愛がれば世界が平和になるわけよ。」

この映画に出てくるいい言葉です。




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